★疾病ごと延命中止基準、終末期を定義…尊厳死協会報告★
「尊厳死」の法制化を目指す日本尊厳死協会の研究班は14日、がんなど疾病ごとに延命治療(措置)中止の判断基準となる「末期(まっき)(終末期)」の定義などを挙げた独自の報告書をまとめた。
手続きを重視した厚生労働省の終末期医療の指針より踏み込んだ内容で、今後の法制化を巡る議論などのたたき台になるが、すでに患者団体から死を誘導しかねないと反論が出ている。
報告書は、尊厳死を迎えるための医学的条件などを提示した。まず「総論」で、厚労省指針で触れていない「末期」や「不治」の定義、延命治療を中止する条件を掲げた。その上で、各論として、「がん」「呼吸不全・心不全・腎不全」「持続的植物状態」、全身の筋肉が動かなくなる「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の延命治療が議論となる代表的な疾患に、「高齢者」「救急医療」を加えた計6パターンについて治療中止の条件などを記載。
総論の定義では、末期を「不治(と判定された)時から死までの時期」とし、「不治」を「あらゆる治療行為に効果が期待できず、死への進行が止められなくなった状態」とした。
さらに、治療の中止条件として、〈1〉患者に延命治療を中止する意思がある〈2〉複数の医師の意見が一致している〈3〉尊厳ある生の確保と苦痛の除去を目的とする――の3点を明記した。
各論では、「がん」の末期を「治療の効果がなくなり、ケアが中心となった時期から死に至るまでの期間」と定義。その末期の治療で有害な反応が出た場合などに、中止や差し控えできる行為として「栄養・水分の補給」「人工呼吸器の装着」などを挙げた。
ALS患者では、「患者本人が、明確な意思表示を繰り返した」「無呼吸テストで自発呼吸がない」ことなどを、人工呼吸器を取り外せる条件とした。ALSの末期の定義は人工呼吸器でしか生存できない状態としたが、専門家の間でも議論が分かれており、最終的には「患者自身が判断すべき問題だ」とした。
こうした内容に、川口有美子・日本ALS協会理事は、「一見、患者の自己決定を基本としているが、周囲が患者(の死)を誘導する可能性もあり、危険な内容だ」と批判する。
日本尊厳死協会理事長で、研究班長の井形昭弘・名古屋学芸大学長は「尊厳死を巡る議論に一石を投じたかった。さらに議論を深めた上で法制化を求めていきたい」と語った。
(2007年4月15日3時1分 読売新聞) より
●前回も申し上げましたが、この問題は大変難しいですね。
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